HOME月刊アースキャラバン 一覧 > ボランティアさんいらっしゃい:「周りへのふだんの行いから大事にしていきたい」Sさん

月刊アースキャラバン 詳細

ボランティアさんいらっしゃい:「周りへのふだんの行いから大事にしていきたい」Sさん

2017/11/10(金)
毎回チャリティ・イベント「アースキャラバン」にボランティア参加して頂いた方にお話を伺う「ボランティアさんいらっしゃい」。今回は「参加しすぎてしまった」というSさんにお話を伺いました。
 
文中では以下のように省略します。
Sさん:S
菱倉(編集部):菱倉
  
◎友達に勧められてボランティア参加
   
菱倉:アースキャラバン東京ではお世話になりました。
 
S:こちらこそ、ありがとうございました。
 
菱倉:Sさんは今、学生さんでしたっけ?
 
S:いえ、社会人です。
 
菱倉:あ、そうでしたね。たしかアースキャラバンは土日だったので、単発でボランティア参加できるということで参加して頂いたんですよね。
 
S:そうです。
 
菱倉:どうしてアースキャラバンに参加されたんですか?
 
S:友達がボランティア参加を勧めてくれたんです。
 
菱倉:アースキャラバンへの参加をですか?
 
S:いえ、ボランティアすることをです。
 
菱倉:ちなみにそのお友達は日頃からボランティア活動をされてる人なんですか?
 
S:その友達はボランティアはしてないですけど、「子ども食堂や地域の方とふれあえるようなボランティアに参加することで社会を広い目で見れるようになったり、学べることも多いんじゃないか?」とアドバイスをしてくれたんです。
 
菱倉:なるほど。Sさんは今はお仕事が忙しいんでしたよね?
 
S:そうですね。というか、仕事はそれほどでもないですが。でもこれってインタビューとは別の話してますよね?
 
菱倉:あのですね。最初、ボランティアの人に型通りのお決まりの質問だけをしてたんですけど、面接みたいになっちゃって。「どうしてアースキャラバンに?」「ふだんボランティアされるんですか?」だけみたいな感じで。録音もしてるし何か取り調べみたいになるんです。
 
S:はい。
 
菱倉:インタビューされる側はちょっとかまえちゃいますよね。お互いに堅くなるというか。そうすると、みんな同じような答えになるんですね。同じようなこと聞いてるから当たり前なんですけど。
 
S:はい。
 
菱倉:それよりも雑談しながらぽろっとでてくるその人ならではのものとかの方が面白いなと思って。
 
S:なるほど。
 
菱倉:どうしてこういうコーナーをやっているかというと、けっこうボランティアで参加してくれる方が多くて、若い子も気軽に来てくれて一生懸命やってくれるんです。主催者側としてはそのことにまず感動するんです。
 
S:はい。
 
菱倉:で、そういう素敵な人たちがいるというそのリアルさを広く伝えたいというのがあります。それで雑談っぽく多めに話してその中からあんまり関係ないところは省いて残りを収録してるんです。
 
S:そうなんですね。
  
◎「気と心のワーク」にびっくり!
  
菱倉:それでインタビューに戻りますけど、参加してみてどうでしたか?
 
S:参加してみてですか…「ずいぶん参加しちゃったなあ」という感じがします。
 
菱倉:え? 参加しすぎちゃった(笑)ということですか?
 
S:ボランティア当日前のワークショップや説明会から真面目に通っていたので(笑)
 
菱倉:ああ、当日前にもいろいろ集まる機会があったんですよね。
 
S:そうなんです。後藤さん(実行委員長)の体験型ワークショップもありましたし。「時間があるのでやりませんか?」と言われて、私たちが賛同したので。
 
菱倉:「気と心のワークショップ」※ですか? あれ、やったんですね。どうでしたか?
 
※気と心のワークショップ…心で思う内容や口にする言葉によって、人の気の状態が瞬時に変わり、それが周囲に影響を及ぼすことを体験するワークショップ。アースキャラバン呼びかけ人の浄土宗僧侶・遠藤喨及さんが考案した。例えば、Aさんが隣にいるBさんのことを「モノ」と思う場合、Bさんはなんとなく「冷たい、重い、不快」などネガティブな感じがするが、AさんがBさんを「心」だと思う場合だとBさんは「温かい、軽い、快い」などとポジティブな感じを受ける。
 
S:心の状態によって、ずいぶん(気の)体感が変わるんだと不思議でした。ただ、自分たちでやる前に奈良さん(実行委員)と後藤さんがペアで見本を見せてくれたので、「ああ、こういう風になるんだ」と(模範解答が)わかっちゃったのはありましたけど。その予備知識なしでやってみたかったというのはあります。
 
菱倉:ああ、なるほど。そうですよね。その「正解」があると、それ以外の反応しちゃ悪いかなと思うかもしれませんね(笑)。
 
S:でも、そうはいっても、確かに相手を「モノ」と思うか、「心」と思うかによって、相手に与える影響って変わるよなと思います。
 
菱倉:アースキャラバンのイベントとああいうワークとの関係※ってご存知でしたか?
 
S:いいえ、全然知りませんでした。
 
菱倉:「なんでチャリティイベントの説明会でこんなことやるんだろ?」って思いませんでした(笑)?
 
S:びっくりしました。
 
菱倉:ですよね。
  
※アースキャラバンの実行委員はほとんどが遠藤喨及さんが創始したタオ療法を習う門下生で、クラスでは手技だけでなく「気と心のワーク」のような学びもある。
◎お祭りなのに異宗教融合のセレモニー!?
  
S:びっくりしたといえば、あの映画「BE FREE!」※の中で宗教の違いを超えて平和を祈る場面がありましたが、お祭り最終日のフィナーレも仏教、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の代表者がみんなで手を握って平和を願うというシーンがありましたね。
  
※映画「BE FREE!」…アースキャラバンの初年度(2015)の模様を追ったドキュメンタリー映画。特設サイト
  
菱倉:最後のセレモニーですね。本来人の幸福のためにある信仰、宗教が紛争や戦争のために利用されたり、宗派間、宗教間の対立が煽られるような状況があるので、世界平和を訴える時にまず宗教者が連帯して声を上げないと、ということですね。宗教ごとに神がいるわけではなくて、みな同じ神を別の呼び方で呼び、別のやり方で崇めているだけなので本来シェアできるはずなんです。
 
S:そういう展開のお祭りになるとは思わなかったので、びっくりしました。
 
菱倉:でも、当日ぼくは少ししかSさんとお話してないですけど、なんとなくアースキャラバンに縁のありそうな方だなと思いましたよ。
 
S:そうですね。共感できることは多かったです。奈良さんが説明会で話されていた戦争と平和の話も共感できましたし。たとえば、日本ってすごく見せかけの平和の世界じゃないですか。
 
菱倉:そうですね、思いっきり。
 
◎一人一人の力で世の中がずいぶん平和に変わるんじゃないか
  
S:思いっきり。一見平和に思えてしまうというか、いつ平和のジェンカが崩れてもおかしくないというか、そういう危機感を最近は感じることが多いかもしれません。それとつながるという点では自分の日頃の心のあり方を振り返ったりしました。電車の中や会社の中、家族や友達に対してもっといい心の働きがもてないかなと、一人一人の力で世の中がずいぶん平和に変わるんじゃないかなと。
 
菱倉:世の中全体の平和とふだんの一人一人の心のあり方やコミュニケーションがつながっていることだと?
 
S:そうですね。ニュースで温暖化や自然災害、不安を煽るような報道が
あふれていますが、何があっても心を取り乱さないで周りに優しくできるような自分になれたらなと思ったりします。
 
菱倉:Sさんは戦争と平和とかそういうテーマにふだんから関心があったんですか?
 
S:ふとした時に思い出すというか…。ただ、今、ニュースで「ミサイルが…」とかよくあるので…
 
菱倉:今、報道がすごいですよね。テレビとか見てますか?
 
S:家にテレビはないので、インターネットとかで。
 
菱倉:たまにテレビつけるとそんなことばっかり言ってますよね。北朝鮮が打ったミサイルが上空を通過した時、全部の局で政府公報みたいな画面に一斉に切り替わって30分ぐらい非常事態!みたいな感じで放送されたらしいですよ。
 
S:えー!
 
菱倉:それが民放始まって以来初のことだと聞きましたけど。画面が全部ジャックされたみたいになって。
 
S:もっと私たちの心が和むようなことを出すべきだと思います。
 
菱倉:パンダの親子がじゃれてる映像とかね(笑)
 
S:そんな不安を煽るようなことじゃなくてね。
   
菱倉:事前に教育委員会から各学校に「もし、ミサイルが飛んで来たら」みたいな書類が配
られて、中にはそれを見て動揺して家に帰って来て泣いた子がいるとかね。
 
S:泣きますよ、それは。
 
菱倉:なんかすごくフル活用してるなって、危機を煽って、それで防衛予算を上げたりとか、イージス艦を新たに買うとかいう話もあるし。本当に危機感があるなら原発どうにかしないと。
 
S:また武器を作ったり、ですかね。
  
菱倉:危機は危機で実際起こり得るんでしょうけどね。
  
S:それは「この先何が起こるかはわからないんでしょうけど」ってことですか?
   
菱倉:今みたいにアメリカと北朝鮮が挑発合戦みたいなことをやってるじゃないですか、日米韓軍事演習とか。本当はどっちも今すぐにおっ始める気はないんでしょうけど、ひょんなことからそうなっちゃうこともあるだろうなっていう意味で。
◎戦争は始めるのは簡単だけど、終わりが見えない
   
S:ひょんなことから始まる、それが戦争だと以前外部の講演会で聞いたことがあります。実際戦争を経験された方の言葉だそうです。始めるのは簡単だけど、終わりが見えないというか、終わりがないのが戦争なんだと。
 
菱倉:今のお話の続きなんですけど、北朝鮮のこととかネットで調べてたら、朝鮮戦争ってまだ終わってないんですってね。休戦してるだけで、まだ終戦じゃないんですって。知らなかったです。
 
S:そうなんですか。
 
菱倉:それにしてもあんなに煽りまくってたら起きない戦争も起きますよね。
 
S:国が計画的に煽ってるというか、私たちの気持ちがそっちに傾いてしまうような気がします。後藤さんのワークショップじゃないですけど、そういう(戦争を後押しするような)空気を作るのは私たちに利益がないと思います。だから本当の意味での優しさを考えたら、自分たちの心を見つめ直すとか、そういう姿勢を是非もっていきたいと思います。
 
菱倉:うんうん。
 
S:対立し合うんじゃなくて力をいれたり、考えることって別にあると思うんです。自分に余裕がなくなるとギスギスしたり、誰かとケンカしたりしますよね。奈良さんもおっしゃってましたけど、自分さえ良ければいいとか、そういう気持ちが積み重なって戦争の火種になるんだって、そんなことおっしゃてました。
 
菱倉:そうですね。戦争って、なんとなく国と国との関係とか政治家とか国連とか遠くで決まっていて、自分の態度とか暮らしとはかけ離れた話っていうふうについつい思っちゃいますけどね。
 
S:そうですね。
  
菱倉:たとえば在日の人へのヘイトスピーチとかネット上でもいろいろありますよね。極右的な発言が。ああいうのも馬鹿にならないというか、ムードというのが一人一人の心から作られていくわけで。もちろん焚き付ける人はいるんですけど。
  
S:そうですね。
 
菱倉:実際会って話すとみんな普通ですからね。もちろん色んな人がいますけど。日本人でもいろんな人がいるじゃないですか。滅茶苦茶な人もいれば、平和的な人もいて。一人の人の心の中にもその時々でいろんな面があって。
 
S:そうですね。
 
菱倉:だからどこの人とかそういうふうにくくれないものがありますよね。
 
S:…あの、「お祭りに参加されてどうでしたか?」っていう話から随分脱線してきてますけど、大丈夫ですか?
  
◎周りへのふだんの行いから大事にしていきたい
  
菱倉:なはははは。はい、そういえば(笑)。じゃあ…どうでしたか?
 
S:驚きました。BE FREE!の映画のラストみたいなセレモニーに驚いたのと、キャンドルナイトをできなかったのは残念でしたね。
 
菱倉:はい。
 
S:いろんな人と関わって元気をもらえました。ボランティアの方々中心ですが皆さんと話してみると、最初は堅いイメージがあったので、お互い難しい顔しちゃってましたが、名札とかフェイスペイントで声をかけやすい雰囲気づくりがイベントの中にあったので気軽にこえをかけあうことができました。お互い笑い合えたり心の壁がなくなっていくと、いい動きができるというか。お互いを意識できるからよりボランティアに一生懸命になれるというか。NPOのみなさんの配慮に助けられて楽しく参加できました。自分の普段の行いを考えさせられたというか。自分のできるところから、周りへのふだんの行いから大事にしていきたいと思いました。
 
菱倉:はい。
 
S:学生時代にいろんなボランティアをしてきたんですけど、アースキャラバンさんみたいに平和をテーマにしてる団体ってすごくレアな感じがしていて、私がほかのボランティアを知らないだけかもしれないですが、割とNPOで活動されている方も明るい方が多く、今回参加してみて良かったなと思います。
 
菱倉:あ、まとめて頂いてありがとうございます(笑)。普通のチャリティイベントみたいに思われているところがあるし、スタッフ側もうまく独自性を伝えきれてないなという反省はあるんですけど、すごい珍しいタイプのイベントだと思います。というのは、その時だけの偽善っぽい感じとはちょっと違うかなと。みんなふだんは自分の仕事を他でやりながら準備してるのでかなり身を削ってやってる部分があって。
 
S:はい。
 
菱倉:いろんな人を巻き込みながら平和に向かうエネルギーを強めて行けたらいいなと思って毎年やらせてもらってます。また機会があったら参加して頂きたいと思います。
 
S:はい、ありがとうございました。
 
菱倉:ありがとうございました。

ページ
TOP